・「あさのあつこ」 "バッテリー" ― 2006年08月04日 09時00分00秒
今日は、テーマは、「野球」だが、プレイでも観戦でもなく、「よみもの」で野球に関するものを紹介します。
1996年に発表された、
●「あさのあつこ」著 "バッテリー"
です。文芸書サイズでも、文庫サイズでも発行されていて、2006年8月現在では、文芸書サイズが6巻まで、文庫サイズが5巻まで出ています。既に、漫画化もされています。また、2007年映画化にむけてクランクインしたとかしないとか。非常に楽しみです。
既に、累計400万部近くを売り上げている大・大ベストセラー作品に対してなにをかいわんや?ではありますが、本屋でならんでいても、なかなか手にとって読んでみよう!とは、実は思っていませんでした。
しかし、ある日、電車で移動していてちょうど手持ちの本を読み終えてしまったにもかかわらず、あと2時間ほど電車(新幹線)に乗らねばならない事態になりまして、駅の本屋で買ったのが、文庫本「バッテリー」の1巻でした。
中学野球を中心に子供の成長と家族、友人との絡みというものを描いた作品だというのは知っていたのですが、いざ読み始めると食い入るように…というほどは読めませんでした。それは、なかなか野球が始まらないから(笑)。また、軟式野球でどれだけ凄い球を投げるのかも、本の描写からは、いまひとつわからないですし。小学生で軟式で130キロ投げたら怪物だと思いますし、しかもそれが、好きなところに制球できるのであれば、なおさらです。
なので、野球をプレイしている人間からすると、いまひとつ実感というものでは弱いのですが、弟、友人、先生、家族との人間模様が展開されてきて、且つ、ストイックにただただ、野球がしたい、好きなことをしたい、という主人公の想いが痛いほど伝わり始めると、その早熟さの危くも脆そうな虚勢が痛々しくもあり、且つ、どこかシンパシーを感じるところもあり、と、野球以外の部分の心理描写に引きずり込まれている感じでした。
で、あっという間に5巻まで読み終えてしまうわけです。(笑)
主人公投手と友人の捕手の恋人とも夫婦ともいう感じの心のやり取りが克明に描かれており、「信頼」「友愛」は甘えながらもどこかで線をひきながら、でも、最後の最後まで信じたい、というようなある意味、恋人をも超えた感情を表現しようとしているような感じで、非常にその葛藤というか相克する感情と、現実としての技量が伴い、非常に胸が苦しくなるような感じで引き込まれていきます。すばらしい。
この本を読んで、
「ああ、俺もやっぱ野球が大好きなんだなぁ!」
というのは、非常に再確認させられましたし、好きなことに向かって、疑うことなく自信満々(もちろん、過信としないための努力は人百倍している)突き進んでいく主人公が眩しく、はかなくも美しく感じるお話です。ぜひ、この夏の甲子園の季節、一読されることをおススメいたします。
野球文献・漫画もこれから、レビューに追加します。
1996年に発表された、
●「あさのあつこ」著 "バッテリー"
です。文芸書サイズでも、文庫サイズでも発行されていて、2006年8月現在では、文芸書サイズが6巻まで、文庫サイズが5巻まで出ています。既に、漫画化もされています。また、2007年映画化にむけてクランクインしたとかしないとか。非常に楽しみです。
既に、累計400万部近くを売り上げている大・大ベストセラー作品に対してなにをかいわんや?ではありますが、本屋でならんでいても、なかなか手にとって読んでみよう!とは、実は思っていませんでした。
しかし、ある日、電車で移動していてちょうど手持ちの本を読み終えてしまったにもかかわらず、あと2時間ほど電車(新幹線)に乗らねばならない事態になりまして、駅の本屋で買ったのが、文庫本「バッテリー」の1巻でした。
中学野球を中心に子供の成長と家族、友人との絡みというものを描いた作品だというのは知っていたのですが、いざ読み始めると食い入るように…というほどは読めませんでした。それは、なかなか野球が始まらないから(笑)。また、軟式野球でどれだけ凄い球を投げるのかも、本の描写からは、いまひとつわからないですし。小学生で軟式で130キロ投げたら怪物だと思いますし、しかもそれが、好きなところに制球できるのであれば、なおさらです。
なので、野球をプレイしている人間からすると、いまひとつ実感というものでは弱いのですが、弟、友人、先生、家族との人間模様が展開されてきて、且つ、ストイックにただただ、野球がしたい、好きなことをしたい、という主人公の想いが痛いほど伝わり始めると、その早熟さの危くも脆そうな虚勢が痛々しくもあり、且つ、どこかシンパシーを感じるところもあり、と、野球以外の部分の心理描写に引きずり込まれている感じでした。
で、あっという間に5巻まで読み終えてしまうわけです。(笑)
主人公投手と友人の捕手の恋人とも夫婦ともいう感じの心のやり取りが克明に描かれており、「信頼」「友愛」は甘えながらもどこかで線をひきながら、でも、最後の最後まで信じたい、というようなある意味、恋人をも超えた感情を表現しようとしているような感じで、非常にその葛藤というか相克する感情と、現実としての技量が伴い、非常に胸が苦しくなるような感じで引き込まれていきます。すばらしい。
この本を読んで、
「ああ、俺もやっぱ野球が大好きなんだなぁ!」
というのは、非常に再確認させられましたし、好きなことに向かって、疑うことなく自信満々(もちろん、過信としないための努力は人百倍している)突き進んでいく主人公が眩しく、はかなくも美しく感じるお話です。ぜひ、この夏の甲子園の季節、一読されることをおススメいたします。
野球文献・漫画もこれから、レビューに追加します。